結局生命保険って必要なの問題

生命保険って結局必要なの? 保険

就職だったり結婚だったり、人生の節目節目で「入っといた方がいいんじゃない?」と言われる生命保険。

よく考えずに「とりあえず入っとけ」くらいのノリで加入するケースもあります。でも、「これ実際要らなくね?」と思ってる人もいるんじゃないでしょうか。

というわけで、FP2級を持っている筆者が生命保険が本当に必要なのかどうかについてあれこれ語ります。

基準は「何かあったときに困るかどうか」

結論から言うと、病気になったり死んだりしたときに困るなら生命保険に入っておいた方がいいです。

いやそりゃあまあ誰だって困りますわな。病気になったり死んだりしたら嫌だし、自分のしたいこともできなくなっちゃうし。

なので、「困る」をもう少し詳しく言い換えて、「お金がなくて困る」かどうかで考えてみましょう。

お金に余裕があるなら生命保険はなくてOK

たとえばこんなケース。

口座に現金が数千万円あって、仕事ができなくなっても何ら生活には問題ないのであれば、別に生命保険には入らなくてOKです。だってお金がなくて困ることがないから。

ものすごくざっくり言ってしまうと、生命保険は自分の身体に何かトラブルが発生しお金がなくなって困ったときのためにあります。

トラブルには備えておきたい、でもそのトラブルが起きるか起こらないか分からない。なので、みんなでお金を出し合ってもしもの時に備えるというのが保険の考え方です。

だからこそ、極論を言ってしまえば自分だけでお金を何とかできるなら保険は要らないわけです。

死亡保険の場合

では、「お金がなくて困る」かどうかという基準から、まずは死亡保険の必要性を考えてみましょう。

死亡保険とは、その名のとおり人が亡くなったときに保険金が支払われる保険です。本人はもうこの世にいないわけなので、保険金は家族など生きている人に支払われます。

生命保険とは

死亡保険が必要かどうかは、自分が死ぬとお金がなくて困る人がどれくらいいるかで判断するのがおすすめです。

たとえば、結婚していて小学生の子ども1人を子育て中、毎日頑張って家計をやりくりしているケースを例に考えてみます。

子育て中の家族は生命保険は必要

親のどちらかが今死んでしまうと1人分の収入がなくなってしまうので、まずは子どもの教育費が足りなくなって困ります。

もし配偶者が専業主婦(夫)などで収入があまり多くないのであれば、配偶者も生活費が足りなくなって困ります。

人が2人困ってしまうため、こういうケースであれば死亡保険に入っておくのがおすすめです。

ちなみに、同じ家族構成でも、資産がたくさんあってお金に困らないなら保険に入る必要はあまりありません。

一人暮らしの社会人なら生命保険はなくてもOK

一方、独身の一人暮らし、地元に両親が住んでいるというケースだとどうでしょうか。

自分の収入で生活している人が自分しかいないので、自分の収入がなくなったところで困るのは自分しかいません。もっと言えば、自分が既に死んでいるので困る人はいません。悲しんでくれる人はいるけどね!

こういうケースであれば、死亡保険は入っていなくても大丈夫です。親に遺産を残したい場合は入ってもいいと思いますが、親御さんもそんなお金の貰い方はしたくないと思います。

医療保険の場合

さて、話がちょっとややこしくなるのは医療保険です。

医療保険とは、病気やケガをしたときに保険金を受け取れる保険のこと。死亡保険と違って本人が生きているので、保険金は本人が受け取ります。

病気になるとお金がかかりそうだし、医療保険にはとりあえず入っておいた方がいいんじゃないか的なイメージがあるかと思います。

ですが、実は日本って医療制度がめちゃくちゃ手厚いので、何も考えず契約する前にまずは医療制度のことを知っておくのがおすすめです。

高額療養費制度

高額療養費制度を利用すれば、医療費が高くなっても自己負担上限額以上支払う必要がなくなる

「入院するととにかくお金がかかる」という印象があるかもしれませんが、実は医療費が一定額を超えるとオーバーした分は健康保険に負担してもらえます

これは「高額療養費制度」という制度で、具体的な金額とかは計算が面倒になるので割愛しますが、ざっくり言うとだいたい1か月8万円前後(参考:全国健康保険協会)を超えると払った分が返ってきます。

なので、もし1か月まるまる入院していても、医療費の自己負担は10万円いかないくらいなのです。

とはいえ、これはあくまでも医療費だけの話で、入院するとやれ食事代だ差額ベッド代だと高額療養費制度の対象外になるお金もあるので、この辺りをお忘れなく。

傷病手当金や福利厚生

会社で働いている人の場合は、病気で働けなくなったときにサポートが受けられます。

病気やケガで会社を休んだら傷病手当金がもらえる

たとえば、病気やケガで会社を休んだ場合に受け取れる「傷病手当金」は、3日間連続を含む合計4日以上仕事を休んだ場合、条件を満たせばだいたい給料の3分の2のお金が受け取れます(参考:全国健康保険協会)。

あとは、会社によっては病気やケガで休んでいる間の給料を補償してくれたり、会社のお金で生命保険に加入してくれてたりします。

この辺は会社によって千差万別なので、事前に調べておくのがおすすめです。

結局医療保険って必要なの?

それをふまえると、実は医療保険の必要性を考えるうえで重要なのは医療費の金額だけではないことに気付きます。

医療費は高額になっても月8万円くらい。会社勤めをしていてもし傷病手当金をもらっても、3分の2しかもらえないので収入はざっくり3分の1くらい減ります。

病気になった私は、残された家族は、このお金で生活できるでしょうか?

そう、ここも「お金がなくて困る」かどうか、もっと言えば「生活するためのお金がなくて困る」かどうかが問題になるわけです。

つまり、働けない分の損失と医療費を、制度や貯金を活用して補填できるかどうかがポイントになります。

病気になったときに活用できる制度はたくさんあるので、それらを活用しても生活に困らないなら医療保険に入らなくても大丈夫です。己の資金力で病と闘いましょう。

納得できるコスパで保険を選ぼう

長々と語ってきましたが、生命保険で結局大事なのは納得できるコスパかどうかです。

現在の技術では人間は必ず死ぬ生き物なので、死亡保険の保険金は条件を満たせばまず受け取れますが、医療保険はそうではありません。

ちゃんと医療保険に加入していても、何も病気をせずに死ぬ可能性だってあります。そうなったときに「やっぱり保険に入らずに貯金しておけば良かった、払った保険料が勿体なかった」と思うのではなく、「まあこの金額だったらいいか、健康だったし」と思える保険に入っておきたいですね。

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